こんにちはクラフトビールクリエイターズです!8月でビアパブを始めてから1年が経過しました、1年間色々試行錯誤をしながら何とか運営出来ております。今年の目標は製造量を増やして外販を少し拡大していく予定です。あくまで少しです・・・当店はここでしか飲めないビールとパブでの提供をメインに考えていますので広告のための外販と言ったイメージでしょうか。
さて1年間営業してみての感想をまとめてみたいと思います、これから開業する方々の参考になればと思います。
常連客は超重要です
一番はやはりコレ!飲食店に限らず全ての営業に言えることですがお得意様は超重要です!パレードの法則(80対20の法則)にもあるように上位20%のお得意様がお店の80%の利益をもたらしていると言うのは間違いないです。開店ボーナスで新規のお客様は沢山いらっしゃいましたが、その内常連客になったのはわずか数十名で週に何度も来店して頂けるヘビーユーザーは十数名、この方達が居なかったらお店の継続は不可です。そんなお得意様も転勤などの諸事情で来店が無くなる方もおりますが、また新たに気に入って頂いて来店してくださる方も居るのでこのリピーターが増えない限りかなり厳しいです。当店では常連のお客様が飽きないように醸造を開始してからも他社のビールのラインナップを回転させて楽しんで頂いてます、自社ビールだけだといつ来てもお気に入りのビールがあるのは良いところですがゲストビールを入れる事で来店動機を増やすことに成功しています。
広告は重要です
当店のダメだった所ですが、広告にほぼお金をかけていないため認知度がかなり低かったです。幸い地域のメディアなどに取り上げて貰えて認知度が上がりましたが、ビラを少し配ったところでほぼ認知されていないと思って良いと思います。お店を認知してもらえない限り潜在顧客のステージにもならず来店するはずがありません。立地が悪い場合はやはりネットを使った広告を中心に多方面に働きかけると全く違うと思います。食べログ、ホットペッパー、ポスティング、新聞折込、SNSなど出来ることは何でもやっておくと良いです。
当店もメディアに出るまでは「こんなお店が出来たのは知らなかった」というお客様が多数いらっしゃいました。これからは瓶ビールや樽の外販を近隣ですることで認知を上げること、地域のコラボビールを増やして行くことを考えております。
知り合いやお友達はほぼ来ません
これも良く言われていることですが、知り合いやお友達は「今度絶対行くね〜」と言いますが数名オープン時に来るくらいでほぼ来ません・・・自分に置き換えてみるとわかりますが、生活の導線からかけ離れているお店に行くのはかなり覚悟と準備が入ります。常連のお客さんになるのは生活の導線に近い環境の方がほとんどになります、知り合いが多いから友達が多いからといってお客さんになるとは限りませんのでご注意を。
ただ知り合いに宣伝してくれる機会があるので、常に情報を流しておく必要はあります、どんな薄い関係性でもそこからお店の情報が広がる可能性はありますので、たとえお店に来てくれなくても定期的にイベントやその他の告知はありとあらゆる角度で拡散を心がけると良いです。
イベント出店は儲かる?
以前イベントの記事を書きましたが、何個かイベントに出てみての感想ですがコスパの良いイベントと悪いイベントがある感じです。イベントは移動、準備から販売、撤収作業まで考えると体力と手間暇がかなりかかります、その分良いイベントでは店舗営業するよりも多くの売上を上げることが出来ます。ビアフェスなどでも人気のあるブルワリーを横目に全然売れないブルワリーもあったり、どのブルワリーも大行列なんて場合もあります、また一番は天候にかなり左右される所ですね・・雨はもちろんのこと猛暑過ぎると全然野外には人が集まりません・・
店内で行う年末イベント、タップオーバーイベント、1周年祭は盛り上がりました!2年目は課題だった冬場にイベントを設けて乗り切れるよう頑張ります!
醸造免許が取れてから
醸造免許が取れてからは原価率が劇的に変化します、免許が取れて自社ビールの提供が始まった段階でようやく利益が安定的に残せるイメージが湧きました。それまでは樽の仕入でやっていたこと、備品の購入での出費などお金の流出が止まりませんでした。この黒字化のイメージがないと多分頑張れません。醸造が始まるとその分作業量も倍増しますが・・・そこでオリジナルビールを作っているという優位性もありますし、タンクなども見えるようにすると演出的にも良い効果が出ます。客席を削っているマイナスもありますが、そこでしか飲めないビール、新鮮なビールを飲める演出、原価率の低下などメリットはかなり大きいです。醸造免許はハードルが高く参入障壁にもなっています、大変ですがブリューパブの設立を目指すのは様々な恩恵を受けれる可能性があります。
ワンオペでも何とかなります
拡大思考が強く、多店舗経営や外販の強化を考えている経営者には当てはまりませんが、経営者が店舗や醸造に携わり少数精鋭での営業は体力的には厳しいですが全然可能です。何と言ってもメリットは利益率の向上と採用、教育、シフトの編成、給与計算などの業務をしないで経営できるのは良いです。僕は今の時代、良い人材の採用の難しさを痛感してきましたので多少体がキツくても精神的なストレスを考えて積極的な採用は全く考えないで利益率を考慮した経営をしております。大変な上に売り上げや利益の限界は決まっているのでもっと収入を得たい人には当てはまりませんが、ワンオペでそこそこの利益が残るのは精神的な負担がかなり減ります。お客さんが来ない時間帯は他の仕事に使うと割り切っているので週5.5で醸造、作業、店舗営業のバランスも良い感じで配分が出来ています。
デメリットは店主に何かあった場合の営業、売り上げや利益の拡大が難しい事です。ワンオペでも年収1千万くらいはいけると思いますが、それ以上を目指すとなると組織化しての拡大、多店舗経営は必須です。僕は店舗営業での売上はそれほど目指しておらず、人をできるだけ使わない他の業態への拡大を考えています、クラフトビール業界が盛り上がるための構想はあるのでまずは店舗運営のノウハウや地域復興のモデルとなる取り組みを増やしていこうと思います。
飲食はやりがいのある仕事だ
飲食店経営は参入が簡単で倒産率も高い仕事ですが、お客様との接点が多く直のレスポンスを得られるとてもやりがいのある仕事です。衣食住の食の部分は豊かな人生を送る上でも重要な要素でもあります、お客さんの人生を豊かに、そしてクラフトビールを通じた交流が生まれる点は何事にも変え難い喜びでもあります。色々な人々が出会い、食を通じて心地よい時間を過ごしてもらえることは僕が掲げるコンセプト通りでこのお店を通じてお客さんの充実した時間に少しでも貢献できた喜びがあります。デジタル化が進んで人と人との繋がりが希薄化している世の中ではありますが、やはり色々な年代、人が出会って交流するのは楽しい事だと思います。この場が出来て嬉しいという声を多く頂いているのも糧になります。昭和世代だと言われそうですが、自分が心地よいと思う交流範囲にとどまらず色々な方達と交流するのは学びや価値観の変化がありますのでリアルでの出会いは重要だと思います。
まだ1年という短い期間ですが、怒涛の一年駆け抜けた印象です。当店を支持してくださっているお客様に感謝してより良い店舗に改善しながら経営することが一つ、「クラフトビールを日本の文化に」のミッションを達成できる試みを増やすことを念頭に2年目を迎えたいと思います。1年の感想はまた思いついたら追記しようと思います。