味は日本で馴染まれているピルスナータイプからフルーツビールなど様々です。世界には100種類以上のビールがあります、スタイルを知るとビールがもっと楽しめますので今回は地域ごとの種類を見ていきましょう。

ビアスタイルについてはこちら  ビアスタイルガイドライン2204


ビールの種類

ラガービール(下面発酵)

麦芽を10℃前後の低温で1週間程度かけて発酵させて作るビール。19世紀以降、世界の主流となっているビールで日本の大手ビールメーカーで作られて一般的にビールと認識されているビールです。日本やドイツ、アメリカなどでは主流のビールで、香り、味がすっきりとした爽快感のあるビールが多いです。

ドイツ発祥のラガー

オクトーバフェスト

北部ではピルスナー発祥のチェコの影響を受けたピルスナーが好まれ大手の主力の6割を占めます。それぞれの地域に根ざした独自のビールがあります。北部ではホップ中心で色が薄く南部では麦芽中心で色が濃くなっています。

ピルスナー 

チェコで生まれた黄金色のラガー、ホップの苦味とシャープな味わいが特徴で世界の主流となっているビール

ドルトムンダー  

ドルトムントで生まれた麦芽をふんだんに使ったビール

ヘレス  

南ドイツ・ミュンヘンで生まれたラガービール、モルトを効かせた旨みが特徴的で苦味が少なく淡色のラガービールで飲みやすい印象があります

オクトーバフェスト  

ミュンヘンで作られ春に仕込み秋のオクトーバフェストで飲むラガー

アメリカン・ラガー

高いレベルの炭酸にわずかな酸味が特徴のビールです。

ウィンナー・ラ

ウィーンで発祥されミュンヘンに伝わったウインナーモルトを使ったビール

ボック    

アインベックで生まれたアルコール度数の高い古典的な高級ビールで一般的には黒色で麦汁濃度が高くコクが深いビール

デュンケル  

南ドイツ、ミュンヘンで生まれた黒褐色のビールでしっかりと焙煎した大麦麦芽をつかっており苦味が穏やかで甘味が引き立つタイプが多いです

北アメリカ発祥のラガー

北アメリカのラガー

アメリカでは後味のさっぱりとしたラガービールが有名で、日本でも多く流通しています。

バドワイザー、ミラー、クアーズの3社が有名ですが、2500軒以上のマイクロブルワリーがありアメリカ品種のホップを使用して強い苦味やフレーバーを持つスタイルが多いです。

アメリカン・クリームラガー

まろやかな味わいが特徴で香りもラガーよりも広がります

アメリカン・ラガー   

 濃い色とボディの軽さ、炭酸ガスのレベルが高いライトなビール、アメリカ品種のホップを使用し苦味は弱く爽やかな口当たりが特徴です

アメリカン・アンバーラガー

琥珀色のラガービールで淡いロースト香とアロマが特徴のビール

アメリカン・ダークラガー

ダークモルトを使った濃い黒色が特徴のビール

その他発祥のラガー

オーストラリアン・ライトラガー

オーストラリアの酵母を使った黄金色のラガービール

バルチック・ポーター

バルト海沿岸で作られるポーターの総称で通常のポーターとは違い下面発酵で作られる

エールビール(上面発酵)

3〜4日かけて原料を20℃前後で発酵させて作るビールで、クラフトビールと言ったらこちらのイメージが強いです。常温での発酵によって生まれるエステルが香りや味わいの複雑さを生み出し、個性的なビールを生み出します。イギリスやベルギーで主流のビールで、フルーティな香りと味わいが楽しめるビールが多いです。


ドイツ発祥のエール

ドイツ

南部ではバイエルン地方のヴァイツェン、ケルンではケルシュ、北西部ではアルト、ミュンヘンではボック、北西部ではアルトと地域ごとに様々なスタイルがあります。

北部ではホップが強め、南部ではアルトが強めです。

ヴァイツェン  

南ドイツ生まれの小麦ビールで苦味が少なくフルーティな香りが特徴で白濁しているため白ビールと呼ばれます

ケルシュ   

ケルン近郊で作られるビールで華やかな香りとすっきりとした口当たりが特徴のビール

アルト    

デュッセルドルフで生まれた香ばしいモルトとビスケット風味が特徴のビールで色はアンバーカラーをしています

ジャーマン・サワーエール

ビール酵母以外の乳酸菌などを併用して作る酸味のあるビール

ヴァイツェンボック

ヴァイツェンにボックのコクがのった琥珀色のビール

ベルギー発祥のエール

ベルギー

ベルギービールは個性派揃いで小麦麦芽とコリアンダーなどを使用したフルーティなホワイトエール、修道院で醸造されるトラピスト、アビィ、自然発酵のランビックなどがあります。

ホワイトエール  

ヒューガルデン発祥の小麦ビールでオレンジピールとコリアンダーを入れたビールです

ベルジャン・デュッベル

西フランダース州で作られる赤褐色でベリー系のフレーバの効いた酸味の強いビール

サワーエール

酸味を特徴としたエールを総称したビール

トラピスト  

トラピスト修道院にある醸造所で修道士によって作られるビールで「シメイ」「オルヴァル」「ウェストマレ」「ウェストフレテン」「ロシュフォール」の5銘柄があります

アビィ    

トラピスト会以外の修道院のレシピを使って作るビール 

ゴールデンエール 

ドイツやアメリカに比べるとフルーティな味わいと高いアルコール度数が特徴のビールです

セゾン  

ワロン地方で作られ透明な黄金色でドライで酸味のある味わいで、上面発酵ではあるがラガー的な味わいがあるビール

イギリス発祥のエール

イギリス

イギリスはエールビール一般的でホップ由来のフルーティなビールが好まれています。

ポーター 

ロンドン発祥でブラウンモルト、クリスタルモルト、チョコレートモルトの3種とファグルホップを使用した香ばしいコクと甘味が特徴の黒ビール

ペールエール  

透明感のある琥珀色でもるとの甘味とホップのコクが特徴のビール 

アンバーエール

カラメルモルト由来の深いコクと苦味のある琥珀色のビール

インディア・ペールエール

麦芽とホップの割合を増やした高発酵のビール

スタウト  

大麦を焙煎したローストバレイを使用してポーターに苦味を足し、コーヒーのような香ばしさが特徴のビール

スコッチエール

スコットランドの伝統的なエール赤銅色で程よい甘味とスッキリとした飲み口のビール

バーレイワイン  

イギリス生まれの長期熟成エールで麦芽によるトーストやビスケット、濃いカラメルのような香りでアルコール度数は10~12%と高めなビール

北アメリカ発祥のエール

アメリカ

マイクロブルワリーが世界一と言われるアメリカでは、エールビール作りが盛んで自家醸造も可能です。全体的にホップを効かせたビールが多く華やかな香りが特徴です。

ブロンドエール  

透き通るようなブロンズ色で苦味は穏やかでスッキリとした味わいが特徴のビール

アメリカン・ペールエール  

イギリス発祥のペールエールをもとにアメリカ品種のホップをしようした苦味と香りの際立ったビール

アンバーエール  

アンバー色をした柑橘系の香りのホップを使用してボディが強く味わいが深いビール

アメリカン・インディア・ペールエール  

アメリカ品種のホップを大量に使用し、ホップの強い苦味と高いアルコール度数が特徴で、イギリスIPAにはない柑橘系の香りも印象的なビール

ブラウンエール  

イギリス発祥のブラウンエールよりもホップが効いていて柑橘計の華やかな香りが特徴のびーる

その他

主にベルギーで生産される特徴的なスタイルで酵母を使わない自然発酵と呼ばれる方法で作るランビック、燻製麦芽を用いたラオホなど特有の酸味や味わいを醸し出すビールが多いです。

ランビック  

空気中や樽に生息する野生酵母をとりこんで自然発酵させるビール

ラオホ  

ぶなの薫香をつけた麦芽を使用したビールで独特の焦げたような苦味と香りが特徴です

フルーツビール

特定の果実を連想させるビールで果実とビールが一体となった甘味のあるビール


ビールの温度

ビールはキンキンに冷やして飲むと美味しいイメージがありますが種類によっては適温が異なります。ビール本来の味わいを楽しむ場合はスタイルごとに変えて飲むのも良いでしょう。

日本のラガービール6℃前後
ドイツのラガービール6℃前後
アメリカのラガービール6℃前後
ピルスナー6℃前後
ヴァイツェン8℃前後
ペールエール8℃前後
ポーター8℃前後
スタウト10℃前後
トラピスト12℃前後
ランビック12℃前後
バーレイワイン12℃前後
ビールを飲む時の最適の温度

テイスティングの方法

ワインや日本酒と同じようにクラフトビールの味わいを楽しむにはテイスティングをするとクラフトビールの奥深さを感じることが出来ます。

ビールを味わう時の注意事項

  • 種類の違うビールを飲む時は軽いものから重い物(フルボディ)の順番でのみましょう
  • 食べ物は味の強い物は避け、クラッカーなどをつまむと良いです
  • 使用するグラスは一種類ごとしっかり洗うかグラスは替えましょう

外観

色合いや濃淡、透明度、泡の立ち方など色は一般的な黄金色から青や緑など変わったものや柑橘系のビールは濁った感じになっています。缶や瓶からグラスに注いで色も楽しみましょう。

ビールの泡で出来た冠の部分をヘッドと呼びヘッドリテンションが良いビールは良質なホップを使ったビールはクリーミねヘッドを形成します。

アロマ

鼻で感じる香りを感じます。ホップの香りやモルトの香り、フルーツのフルーティな香りなど原料によって特徴的な香りを感じれます。

フレーバー

口に含んで感じる味や香り、アロマと同じくホップやモルトの香り、甘味や苦味や酸味などのバランスを感じれます。

ボディ

口に含んだ時の濃厚さによって強弱を表します。濃厚な感じであればボディが強いと表現します。

国際苦味単位(IBU)とは

苦味を強くしたい場合はホップを煮込みます、煮込む時間が長いほど苦味が増しこの苦味は国際苦味単位(IBU)で測定します。

1リットルのビールに1mgのアルファ酸が含まれた状態を指します。

5 IBUラガービール
20 IBU ブラウンエール
35 IBUジャーマンピルスナー
40 IBUIPA
苦味の目安
SRM(standard Referece Method)

アメリカで用いられるビールの色合いを表す単位、ピルスナーではSRM2〜5、スタウトでは70というように値が大きいほど濃く透明度が下がります。ヨーロッパではEBCという単位をしようしています。

クラフトビールに関わる用語集


ビアカクテルを作ろう

レッドアイ

ビール:トマトジュース = 1:1

ビールにトマトの酸味が加わる、胡椒を足してしスパイシーに仕立てるのも良いです

シャンディガフ

ビール:ジンジャーエール = 1:1

エールビールにジンジャービールを入れるやり方もある、生姜の辛味で引き締まった味になります

ドックスノーズ

ビール 適量 ジン

ジンにビールを適量加える、ハイアルコールの強い酒になります

ボイラーメーカ

ビール 適量 バーボン ウィスキー

コークビア

ビール:コーラ = 1:1

コーラは何にでも合いますし、飲みやすくなります

ビターオレンジ

ビール:オレンジジュース = 1:1

パナシュ

ビール:サイダー = 1:1

ビールが苦手な方もスッキリとした味わいで飲みやすくなります

他にも酎ハイのような組み合わせで新たな発見があるかも・・お試しください。

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